約15坪以下の住宅は「狭小住宅」と呼ばれています。予算がない、思う広さの土地がないなどの事情でそのようなコンパクト住宅にせざるを得ない人だけでなく、近年ではあえてコンパクト住宅を選ぶ人も増えているのはご存知でしょうか。家にだけお金を掛けずに他の楽しみも満喫したいと考える人を中心に、コンパクト住宅が支持されています。ただしコンパクト住宅で快適に暮らすには、間取りのコツがあるのです。今回は、そんなコンパクト住宅でも快適に暮らすための間取りのコツを紹介します。
1.コンパクト住宅が増えている!コンパクト住宅のメリットとは?
近年人気のコンパクト住宅ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
1-1.建築費用が抑えられる
施工面積が少ない分、コンパクト住宅は建設費用が抑えられるのが大きなメリットです。外壁や屋根の面積も狭いので、メンテナンスにかかるコストも抑えられます。
1-2.暮らしやすい生活動線
部屋数の多い広い家は快適なようで、実は必要なものを取りに行くにもいちいち遠くて面倒だったり、掃除も時間がかかったりと日々暮らしていく上では面倒に感じることも多いものです。コンパクトな住宅なら生活動線が最低限に抑えられ、家全体が把握しやすく掃除など手入れも行き届くことでしょう。
1-3.庭を広く取れる
限られた土地の大きさの中で住宅に充てる面積を狭くすれば、その分庭を広く取れます。ガレージやカーポートを設置したり、庭にウッドデッキを作り室内と一体化した「アウトドアリビング」として活用したりと、自分らしいライフスタイルを実現できるのがコンパクト住宅のメリットでしょう。
2.快適なコンパクト住宅の間取りのコツとは?
ここからは、限られたスペースでも快適に暮らすためのコンパクト住宅の間取りのコツを解説していきます。
2-1.間仕切りを少なくする
コンパクトな床面積の場合、1部屋ずつ壁で区切るとなると圧迫感や狭さが強調されてしまいます。とくにキッチン・リビング・ダイニングは、1つの空間にするのがベストでしょう。他の部屋同士も壁で区切るのではなく、家具や建具、段差などで区切るようにすると広さが演出できます。引き戸やロールスクリーン、パネルドアなどで仕切っておけば、普段は開放しておいて必要な時に閉め切ることも可能です。
2-2.廊下を作らない
廊下は必要不可欠だと思われがちですが、移動するためだけの廊下にスペースを使ってしまうのはもったいないと言えます。たとえば玄関からリビングへの廊下や、リビングから洗面所への廊下など、間取りを工夫すれば不要になることも多々あるのです。廊下を必要最小限にすれば、動線もコンパクトになる効果も期待できます。
2-3.明るいカラーを選ぶ
コンパクトな居住空間でも、色の効果も意識すれば解放感を感じながら生活することが可能になります。具体的には、白やベージュなどの膨張色で壁や床、家具などを統一するのがおすすめです。茶色や黒、紺色などの暗い色よりも膨張色の方が圧迫感を感じず、光を反射して明るさも感じられるようになるのです。
2-4.空間の「抜け」を意識する
窓があって外の景色が見渡せたりスケルトン階段だったりと、視線を遮るものを極力減らして「抜け」のある空間を意識すると限られた空間でも広く感じられます。リビング階段を吹き抜けとして利用するのもおすすめです。リビング階段は上下の繫がりを作って、2階からの採光も叶います。
2-5.多用途に使えるスペースを作る
書斎や子ども1人ずつの勉強部屋は作れなくても、リビングの一角や吹き抜けの階段ホールなどにカウンターを設置すれば多用途に使えるスペースになります。ここを、パソコンを広げて仕事する「書斎コーナー」や子どもが宿題をする「スタディコーナー」、アイロンがけをする「家事スペース」などに活用すれば、それぞれの個室は不要になるのです。
2-6.スキップフロアやロフトでスペースを増やす
1階と2階の空間だけでなく、スキップフロアやロフトで複数の高さのスペースを設ければその分家族の居場所や収納スペースなどを増やせます。
2-7.収納は造作収納で!
家具がない状態だと広く感じる家も、実際生活するには食器棚やテレビボードなどの家具を置くと狭く感じてしまうものです。ただし収納が少ないと、カウンターの上やテーブルの上に物があふれかえってしまうことにもなりかねません。ただし既製品の家具は、どうしても部屋のサイズにぴったりフィットしないでデッドスペースが生まれてしまいがちです。
そこでおすすめなのが造作家具です。ジャストサイズの収納家具を造り付けてしまえば、新たな家具は不要です。とくにキッチンのパントリーやリビングクローゼットなどの大容量の収納スペースを造作家具で造り付けてしまえば、物がないすっきりした生活空間が叶います。
3.まとめ
コンパクト住宅なら、建設費用やメンテナンス費用を抑えられ、掃除や手入れも簡単で生活動線も最小限で済みます。ただし間取りについてよく考えないと、狭さが気になってしまうことになりかねません。広く感じられるコツを取り入れて間取りを考えるのは難しいと感じるかもしれませんが、住宅のプロである設計担当者に相談すればコンパクト住宅向けの間取りを提案してもらえることでしょう。
新築注文住宅の建築工房である「株式会社建築工房アイ」は、狭小地を生かしたコンパクト住宅の設計を得意としております。無駄を徹底的に省き住み心地の良い間取りをご提案いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。